【NFL2023】これまでのKansas City Chiefs。スーパーボウル直前特集!

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はじめに

 お久しぶりです、、
 時の流れとは残酷ですね。気づいたら2023シーズンもあと1試合となってしまいました。

 スーパーボウルはチーフスと49ersの対戦ということで、考えるだけで胃もたれしてしまうような、NFLファンからすれば考える限り最悪のマッチアップとなってしまったのではないでしょうか(笑)

 今回はスーパーボウル特集と題しまして、両チームの解説編、試合の考察編と全3編でスーパーボウルを盛り上げていこうと思います。

これまでのKansas City Chiefs

紛うこと無き”Chiefs Dynasty”

 ここ5年間のチーフスの中では最も弱いとも言えるシーズンでしたが、なんやかんやで今年もチーフスがAFCの王者となりました。
 
 これにより、Mahomesの代では2年連続4回目のスーパーボウル出場、6年連続のAFCチャンピオンシップ出場、Alex Smith時代も含めると、8年連続地区優勝、9年連続プレーオフ出場となります、、
(13年連続でプレーオフ出場を逃しているジェッツに譲ってあげて欲しい涙)

  余談ですが、現在NFL7年目のMahomesのプレーオフ記録は14勝3敗で、現在NFL94年目のライオンズ(創部1930年)のプレーオフ記録は9勝14敗ということで、如何にMahomesの記録が馬鹿げているかが分かると思います。(馬鹿げているのはライオンズかも、、)
 ちなみにTom Bradyは35勝13敗。プレーオフだけで3シーズン位のゲーム数プレイしてるよこの人、、

 こんな華やかな記録を残してはおりますが、今シーズンは決して順風満帆なスタートを切れたわけではありませんでした。

圧倒的人手不足

 今年のチーフスを一言で表すなら「人手不足」でしょう。
 シーズン初めのスタメンパスユニットは、WR1 Kadarius Toney、WR2 Sky Moore、WR3 Justin Watson、TE1 Travis Kelceという布陣で、NFLを深く見ていない人であればこれが昨年度のスーパーボウル優勝チームかと目を疑う程のメンツです。

 数年前の破壊的なパスオフェンスを展開した、WR1 Tyreek Hill、WR2 Mecole Hardman、TE1 Travis Kelceというメンツに比べると人手不足感がより分かると思います。

 実際に、Travis Kelceが欠場した開幕戦ではパスオフェンスが壊滅的で、ライオンズ相手に苦杯をなめる結果となりました。
※開幕戦の詳細は下記をご覧ください

 この試合を見た方なら分かると思いますが、今年のチーフスはあまり脅威では無いと感じたことでしょう。

 開幕戦での敗北後、対戦相手があまり強くなかったこともあり6連勝しますが、強敵PHI、BUFには競り勝てず、格下のはずのGB、LV、DENにも負けてしまい、結果的に11勝6敗でレギュラーシーズンをフィニッシュしました。

 チーフスと言えば常勝軍団であり、近年の同チームの結果を見ると物足りないと言わざるを得ません。

“Championship DNA”

 正直なところ、今年のチーフスはプレーオフでも早々に敗退するだろうと思っていましたし、そう予想していた人も少なくなかったと思います。しかし、プレーオフに入ってからのチーフスは一味違いました。

 まずは初戦ドルフィンズ戦は、エースWR Tyreek Hillに仕事をさせず19点差もつけて完勝。この時のMahomesのパスオフェンスも素晴らしかったですが、Pachecoのランがしっかり試合をコントロールしました。

 続いて迎えたビルズ戦。ビルズはスーパーボウルの筆頭候補でしたが、ディフェンスが要所で抑えて見事に競り勝ちました。ここでもPachecoのランが非常に冴えており、勝利に貢献。ビルズがFGを外したところでゲームエンドとなってしまいましたが、流れがビルズに来ていた中でFGに追い込んだディフェンスの粘り強さは素晴らしかったです。

 そしてAFCチャンピオンシップの相手は第1シードで今シーズン一番波に乗っていたレイブンズ。レイブンズはオフェンスもディフェンスも高水準でチーフスの完敗もあり得ると思っていましたが、蓋を開けてみると終始チーフスが試合を支配していました。レギュラーシーズンで無類の強さを誇ったレイブンズですが、チーフスディフェンス相手になすすべがなくターンオーバーを量産。最終的にはディフェンスがリードを守り切った形でチーフスの勝利となりました。

 プレーオフに入ってからは、元々良かったディフェンスにさらに磨きがかかり、オフェンスではランによる試合のコントロールが上手く、プレーオフで急に豹変する以前のペイトリオッツを見ているようでした。

 今シーズンを経てMahomes率いるチーフスには、どんなレギュラーシーズンを送ろうとプレーオフでは実力以上の力を発揮する”Championship DNA”が刻まれているに違いありません。

新しいChiefsのエンジン

 シーズン序盤は例年に比べて元気の無いチーフスオフェンスでしたが、今から紹介する2人のおかげで見事に例年通りの容赦ないオフェンスに仕上がりました。

Isiah Pacheco

 Isiah Pachecoは2年目のRB。去年の段階で既に頭角を現してはいましたが、今年で圧倒的エースRBと位置付けられたことでしょう。
 今年のスタッツは以下の通りで、エースとしては少し物足りなく感じてしまうかもしれませんが、3試合欠場しているためフルで試合に出れた場合、リーグ第4位相当のラッシュヤードを獲得していたはずです。

Isiah Pacheco
ラン935yds レシーブ244yds 合計9TD ※3試合欠場
→欠場していない場合、1100yds以上獲得していた可能性。

 今年Pachecoが1000ydsを超えていたと仮定すると、ここ数年ラン攻撃で結果の出せていなかったチーフスにとっては、2017年のKareem Huntぶりに優秀なランナーを手に入れることが出来たことになります。 (最後に1000ydsを超えたのが2017年のKareem Hunt)

 何と言ってもPachecoはパワフルなランが持ち味で、あの比較的小さな体からあそこまでのパワーランが出来るのは不思議です。”Angry Run”とも呼ばれており、細い隙間を小さな体を活かしながらぶち抜いていく姿には要注目です。

 Pachecoの活躍の背景には、レシーバー陣の枯渇によりパスオフェンスが例年ほど振るわなかった問題があります。チーフスオフェンスの要であるパスが奮わなくともランで試合を打開して見せ、チームの救世主と言っても過言ではないです。スーパーボウルでもここぞという場面でビッグゲインを見せてくれることでしょう。

Rashee Rice

 続いて、Rashee Riceは2巡全体55位で指名されたルーキーWR。
開幕当初は控えWRの立ち位置でしたが、徐々に頭角を現し、終盤にはWR1まで上り詰めました。

 スタッツは以下の通りでエースと言うには控えめのスタッツですが、Week7頃まで先発ではなくスナップ数も限られていたので、最初から先発だった場合には軽々1000ydsは超えていたかもしれないです。一応この成績でも今年のルーキーレシーブ記録ではラムズのPuka Nacuaに次ぐ第2位の記録を残しています。

Rashee Rice
ターゲット102回、レシーブ回数79回、レシーブヤード938yds、計7TD
※スナップ数の推移 Week5まで約34%→Week12以降約79%

 Riceのチーフスオフェンスにおける使われ方は、主にダウンフィールドに集中しており、浅いエリアでボールを受け取り運ぶことに優れているようです。実際にYAC(ボールキャッチ後の獲得ヤード)は653ydsを記録しており、全レシーバーの中で3位の好成績を残しています。

 1位のCeedee Lambが1700yds稼いでるうちのYACが680ydsという数値を見ると、Riceの930yds中YACが650ydsという記録は、如何にキャリー能力に秀でているかを示しているでしょう。

※純粋なレシーブヤードは285ydsということで、これをレシーブ回数で割ると、Riceは毎パスにて3.6ydsしかレシーブしてないことになります(笑)

 チーフスにおけるRiceの存在は非常に大きく、浅いエリアをRice、中間エリアをKelce、深いエリアをMVSとすることで上手く棲み分けが出来ているようです。おそらくシーズン序盤は、Riceの役割をKadarious Toneyが埋めていたのでしょうが、完全にRiceに取られてしまいましたね、、


 シーズン序盤のチーフスオフェンスは強い印象が無かったので、スーパーボウルまで残るとは思ってもいませんでしたが、この2人が快進撃に大きく貢献しました。今後も要注目です、、

今年も要注意の圧倒的ホットライン

 チーフスの圧倒的ホットラインと言えば、すぐにMahomesKelceが思いつくでしょう。
しかし、レギュラーシーズンは例年ほどの脅威がありませんでした。これはスタッツを見れば一目瞭然です。

Travis Kelce
2023シーズン レシーブ984yds、計5TD、Y/G 65.6yds (1試合平均)
2018以降平均 レシーブ1282yds、計9.4TD

※2023ポストシーズン Y/G 87.3yds

 TEながら平均で1300yds近く獲得していたことにまずは驚きますが、それほどの選手が1000ydsを超えずにシーズンを終えてしまうとは、やはり不調なのでしょうか。

 プレーオフが始まるまでは僕もそう思っていましたが、プレーオフに入ってからこのホットラインがようやく火を噴き始め、その結果はY/Gに現れています。

 この2人にはかつてのTom BradyとGronkowskiを彷彿とさせるような活躍っぷりで、スーパーボウルでも止まらないだろうなと予想しています。

 
 ここからは余談で、Hillを手放して大丈夫かという話が数年前にあったと思いますが、結果的には全く問題なかったですね。派手なプレーからパスユニットの中核はHillだと勘違いしていたようで、Kelceの方が圧倒的に価値がありました。

 KelceさえいればサブのWRは誰でも良いという感じで、Hillの不在が懸念されていた昨年は結局KelceとJuJu-Smithの二人でリーグNo.1オフェンスを作り上げました。
今思えば、JuJu??歌手??って感じですよね(笑)

(余談)もう一つのホットラインにも注目???

 チーフスのホットラインがMahomesKelceというのは自明のことでありますが、今シーズンはもう一つのホットラインがあったことはご存知でしょうか。

 それは、TaylorKelceです。
おっと、とぼけても無駄です。Jawaan Taylor (OT)のことではないですよ。
(こっちのTaylorは審判にバレないようにフォルススタートし過ぎなのでやめてください…)

 実はTaylor Swiftが観戦している時と、そうでない時ではTravis Kelceのパフォーマンスに大きな差があるようです。以下にそのスタッツをまとめました。

〇With Taylor Swift
12試合を観戦。平均6.7キャッチ、1試合平均 78.8yds。

〇Without Taylor Swift
6試合は非観戦。平均6.0キャッチ、1試合平均50yds。

 この数字を見て正直驚きました。プロの、それもトップレベルの選手が恋人一人の有無でここまでパフォーマンスが変わるものなのかと。

 平均キャッチ数がほぼ変わらないということは完全にイイとこ見せようとしちゃってますね…

 実はTaylor Swift、スーパーボウルは観戦予定のようですが、前日東京でコンサートを行っているようです。コンサートが終わり次第ラスベガスへ向かうようですが…

 Travis Kelceの活躍が見たくない49ersファンの皆さん、ぜひTaylor Swiftの東京公演に行って無限アンコールで飛行機の時間を遅らせてみては? くれぐれも空港封鎖等のテロ行為はやめてください。

コスパ最強ディフェンス

 派手なパスオフェンスに気を取られがちですが、実は”Chiefs Dynasty”の本体はディフェンスにあると言っても過言ではないです。その理由はチームの経済面にあり、コストパフォーマンスの高いディフェンスがチーム全体の強さに直結しています。

 というのも、NFLは各チームが使えるお金の上限が決まっており、無限に強い選手を補強できるわけではありません。そのため、チームはどこに最も注力するかを決めなくてはならないのですが、チーフスはそれがオフェンスであり、ディフェンスに割けるお金が多く余っていません。

 一般的にはディフェンスが弱くてもおかしくないのですが、チーフスは世の理が通用しないチームなので、「オフェンスに多くの資金を割いているので、ディフェンスも強いです」という事態が平気で起こっています。

 真面目な話、チーフスファンではないので詳しくは分かりませんが、リクルートとコーチングがものすごく上手いためここまで上手く回っているのだと思います。

 以下に各チームの高給取りリストを作ってみました。

Chiefs(Dランク2位)
主な高給取り…Patrick Mahomes(QB)、Joe Thuney(G)、Jawaan Taylor(OT)、Travis Kelce(TE)、Chris Jones(DT)

Ravens(Dランク1位)
主な高給取り…Lamar Jackson(QB)、Ronnie Stanley(OT)、Marlon Humphrey(CB)、Marcus Williams(S)、Roquan Smith(LB)

49ers(Dランク3位)
主な高給取り…Trent Williams(OT)、Deebo Samuel(WR)、Arik Armstead(DE)、Fred Warner(LB)、Nick Bosa(DE)

 こうやって見ると、チーフスが如何にディフェンスにリソースを割かずに強いディフェンスを構築しているかが分かると思います。
 にしても、高給取りを見るだけで各チームの特色が出ていて面白いですね。

 高給取りが居ないから選手が弱いかというとそういう訳では全くないです。ディフェンスの圧倒的エースであるDT Chris Jonesはもちろんのこと、若いながらもディフェンスの中核を成す、CBのL’Jarius SneedTrent McDuffie、そしてLBのNick Boltonは特に要注目です。

総評

 ここまでで今年のチーフスがどういったチームかご理解いただけたと思います。
 覇権的な強さを誇ったペイトリオッツを彷彿とさせる攻守のバランスの良さであり、今最も完璧に近いチームであると思います。

 そして、今年のスーパーボウルの対戦相手である49ersも別の形で完璧に近いチームになっています。近年まれにみる完璧同士の対決がどうなるかはまた今度考察しようと思います。

 それではまた次は49ersの解説編でお会いしましょう。

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