LAR vs ARI
Week3はカーディナルスとの同地区対決となりました。チーム状況としては、お互いに昨シーズンほどの勢いはなく1勝1敗同士の対決となりました。まず、ラムズに関してはOLが弱体化したことでランが出ず、パスプロも脆くなっており、去年よりオフェンスの弱体化が顕著です。また、ディフェンスは去年よりパスラッシュがかからず、ズルズルいかれてしまう印象です。しかし、カーディナルスも状況は似ています。オフェンスはKirkの移籍、Hopkinsの出場停止であまり脅威ではなく、ディフェンスもJonesの移籍、Hicksの移籍で去年ほど厄介ではないという印象です。お互いに同地区対決に勝って勢いをつけたいところですが、どのような試合となったのでしょうか。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL | |
---|---|---|---|---|---|
LAR | 10 | 3 | 7 | 0 | 20 |
ARI | 0 | 6 | 3 | 3 | 12 |
試合展開
試合はカーディナルスのオフェンスから始まりました。しかし、オフェンスにエンジンがかからず、ファーストドライブはスリーアンドアウト。陣地回復のためパントを試みますが、これはラムズの選手によりブロックされてしまいます。ラムズは敵陣35ヤードという絶好のポジションから攻撃開始となります。ゴール前4ヤードまで攻め込みますがエンドゾーンまでは至らず、FGで3点を先制しました。
続く二回目のカーディナルスのドライブですが、これもパントに終わります。何とかTDを取って差を広げたいラムズは、TE Tyler HigbeeのスクリーンやWR Kuppへのパスで一気に敵陣まで前進します。ここでラムズはWRのKuppを大きく外に展開する奇抜なランプレーで20ヤードのTDを取り差を広げます。このままでは終われないカーディナルスは、直後のドライブで2回の4thdownを決めるという勝負強さで一気にゴール前5ヤードまで前進します。しかし、ここはラムズディフェンスが粘りFGに抑えます。その後お互いにFGで点を追加し13-6で前半を折り返します。
後半はラムズのオフェンスで試合再開です。しかし、DE Wattのサックによりスリーアンドアウトになりました。自陣深くからのカーディナルスオフェンスとなりましたが、後半に入りエンジンがかかりました。ショートパスやランで刻みながら攻撃し着実に前進。16プレイ、約7分間のロングドライブで敵陣30ヤード付近まで前進するも、ラムズディフェンスが更新を防ぎFGに抑えます。
流れはカーディナルスに移ったかと思われましたが、ラムズオフェンスも意地を見せます。今シーズンここまで見せ場のなかったRB Cam Akersのランが上手くハマり、TDを獲得。20-9となり点差を広げます。
とはいえまだ逆転のチャンスはあります。直後のカーディナルスオフェンスでは前回同様に着実に前進しレッドゾーンへ侵入。4th4となりFGを蹴って差を縮めるかと思いきやギャンブルを選択。WR Brownに投じられたパスをルーキーCB Kendricksがカットし、追加点を奪えぬまま攻守交替。結果的にはこの選択が悪手となってしまいました。
次のラムズのドライブでは前回のドライブで好調だったRB Akersを中心に攻めていきます。ゴール前1ヤードまで攻め込みますが、ここでAkersがまさかのファンブル。攻守交替でサヨナラTDのチャンスを逃します。とはいえあまり時間はなく、FGを許しますが、オンサイドキックはしっかり抑え試合終了。
総評
今年のカーディナルスにはロングの脅威がない?
RB Conner、QB Murrayの足を活かして、ショートヤードを取るのはとてもうまいチームだと思いました。しかし、通したい局面でロングパスが通らないことが気になりました。終始追いかける展開となっており、やはりロングパスを効果的に使えないと点差を埋められないよなと感じました。とはいえ、まだシーズン序盤であり、Brownとの呼吸があってきて、Hopkinsが復帰となると厄介なことになりそうです。
ギャンブルしすぎ!!!
4thdownコンバージョンが5回、そのうち4回成功と4thdownでも気が抜けないチームでした。3rddownの成功率より4thdownの成功率の方が高いですからね、、正直言ってこの回数は常軌を逸しています、、、敵陣自陣関係なくギャンブルしてくるのでめんどくさいです。ただ、その中にもコールミスはありました。最後のギャンブルはFGで順当に点を取ればよかったのにと、ラムズ、カーディナルスファン関係なく思ったことでしょう。
レッドゾーンでのTD率が低い
これはお互いのチームに言えることですが、この試合は特にTDが少なかったです。ラムズはこの試合5回レッドゾーンまで前進し、うち2回TD、残りの3回はFGとファンブルという結果でレッドゾーンでのTD成功率は40%となりました。この試合においては、後半に少し追い上げられたのでFGとなったドライブがTDで終えれていればもう少し楽に勝てる試合となっていたでしょう。この得点力では今後強豪チームと当たった際にかなり不安に感じます。
ズルズルいかれたはしたもののTDは許さなかったディフェンス
トータルヤード365ヤード、ポゼッションタイム33分とカーディナルスオフェンスにかなり苦戦したような結果に見えますが、TDは許さず今回はディフェンスが粘り勝った試合だと評価しています。ギャンブルは何回も更新され、何度もレッドゾーンにボールを運ばれたため、かなりヒヤヒヤする内容でしたが、ビッグゲインは許さず、勝負所はしっかり抑えてくれたため良かったです。
ハイライト
祝 Aaron Donald キャリア100サック達成
ラムズのスターDL Aaron Donaldがついにキャリア100サックという偉業を達成しました。ご存じの通り、ProBowl、AllPro、DPOY、HOF All-2010teamなどありとあらゆる賞を総嘗めにしている怪物です。Donaldは2014年にプロ入りしてからわずか9年でこの記録を達成し、この記録はDT史上最も早いものだそうです。Donaldがすごいと言われる理由は、DTというポジションでこの記録を達成したところにあります。基本的にチームでサックを期待されるポジションはDEです。というのも、DTはOLの真ん中の方に位置しているため、勝負するスペースも小さく本来サックをするには不利なポジションにいます。逆にDEはディフェンスの中で最もサックを期待できるポジションと言われます。それは勝負する相手が基本的にOT1人であり、その上一番外にいるため勝負するスペースも十分にあるからです。そのような条件下でこれほどサックを量産しているというのは、NFLの歴史上稀なことで歴史に残る偉大な業績です。40歳を超えてなお一線級の活躍をしている、Tom Bradyに匹敵する選手は今後現れないだろうと言われることがありますが、Aaron DonardほどサックできるDTも今後現れないかもしれないです。
Staffordの神回避
第3Qの中盤、カーディナルスが追い上げ始め、点差を広げないとまずいという状況で迎えた3rd&longのシチュエーションでStaffordの神がかったプレーが炸裂しました。死角から現れたディフェンダーに動揺することなく、冷静に交わしてパスを決めるというプレー。流石です。
Ben Skowronekの覚醒
2年目WR Ben Skowronek(スコロニク)が意外な活躍を見せてくれました。本来であれば、Kupp、Robinsonに次ぐ3枚目WRはVan Jeffersonが務めるはずでしたが、怪我で欠場しているためSkowronekがその役割を果たしていました。去年の彼はRobert Woodsが怪我してWRの層が薄くなった際に度々出てきており、白人で大きめな外見から二代目Kuppと揶揄されファンの間では期待されていましたが、目立った活躍をすることはできませんでした。この試合もあまり期待してはいませんでしたが、4キャッチで66ヤードという一線級の活躍でチームの勝利に貢献しました。やはり、Kuppと似ているので、Kuppのナイスプレーだと思ったらSkowronekだったということが多々あります。
DBでこのタックルが出来るの?…
次に紹介するのはJalen Ramseyのこのプレーです。わかりにくいですが画面下の5番のCBに注目してください。あわば1stdown更新かと思われましたが、WRのブロックを軽々とかわし、RBにハードタックルを決めました。DBの範疇に収まらない、LBさながらの活躍でした。流石リーグトップクラスのCBです。
ルーキーなのによく頑張った!個人的MVP Derion Kendrick
Total Tackle | Pass Target | Pass Completion | Completion % | |
---|---|---|---|---|
Derion Kendrick | 9 | 15 | 8 | 53.3% |
Jalen Ramsey | 8 | 8 | 5 | 62.5% |
Bobby Wagner | 9 | – | – | – |
先発CB Troy Hillの怪我で出場となりましたが、本当によく頑張ってくれました。上の表を見ていただきたいのですが、他のAll-Pro級の選手と遜色のない活躍をしてくれました。正直言って、DBは怪我人が多くパスが無限に通ってしまうことを覚悟していましたが、全くそんなことはありませんでした。個人的に評価している点はタックルミスがなかったことです。ルーキーにありがちなのがWRについていくことが出来ていても、タックルミスをしてしまいロングゲインに繋がってしまうというケースです。しかし、Kendrickにはそれが無く良かったと感じます。プレーを見ていて感じるのはボールへの寄りが凄まじく速いです。出身校はチャンピオンとなったあのジョージア大だそうで、今シーズン期待できる選手だと思います。
以前投稿したこちらの記事で彼のことを取り上げているので、もしよかったらご覧ください。
次回の展望
次回は宿敵、49ersとの対戦です。QBにはあのJimmy Gが帰ってきました。(Lance君のままの方が勝てそうな気がしてた)Jimmy G率いる49ersには何度かあたって1回しか勝っておらず、確かに苦手な相手ではありますが、チーム状況があまり好調とは言えないので勝てるのではないかと思っています。次負けると地区優勝の座が奪われかねないので何とか勝っていただきたいです。
次の試合の鍵はいかにリードを保つかという点になりそうです。49ersはランオフェンスが得意で止めることが困難です。そのため、相手にリードを許すと時間を使われ逆転の糸口をつかめぬまま試合終了となってしまいます。逆に、49ersはキャッチアップオフェンス(追いかける展開)があまり得意ではないので、この展開をいかに作るかが重要です。この点に注目していただけると良いかと思います。
KC vs IND
意外にも今期調子の良いチーフスとメンツのわりにボロボロなコルツの対戦。これまでのコルツの戦績ですが、week1はテキサンズと引き分け、week2はジャガーズに無得点ということで、流石にチーフスが圧勝するだろうと予想していました。結果は以下の通りです。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL | |
---|---|---|---|---|---|
KC | 6 | 8 | 3 | 0 | 17 |
IND | 7 | 3 | 3 | 7 | 20 |
試合内容は終始チーフスが優勢でしたが、最後のコルツのドライブでコルツに軍配が上がりました。やはり勝負を分けたのはチーフスのアンスポーツマンライクコンダクトでしょう。これが無ければ攻守交替でコルツに反撃を許さなかったと思います。また、チーフスのFGミス、FGスペシャルの失敗も負けに直結しました。
オフェンスがなかなか上手くいかないコルツ
Andrew Luck引退以降QB問題に悩まされ、今季Matt Ryanを獲得したため、もう安泰かと思われました。しかし、なかなかオフェンスが上手くいきません。今回の2TDもほぼほぼチーフスの自滅によるものでした。ディフェンスはチーフスオフェンスを2TDに抑えており頑張っているため、オフェンスが何とかならないうちは勝っていくことは厳しいでしょう。
対戦チーム | Sacks | Sack Yard Lost | QB Hits |
vs HOU | 2 | 12 | 7 |
vs JAX | 5 | 31 | 11 |
vs KC | 5 | 45 | 10 |
計 | 12回 | 88yds | 28回 |
まず、その大きな理由として、パスプロが持ちません。上の表を見ていただけると分かりますが、3試合で既に12サック食らっており、今回も大事な場面ではサックを食らい、攻守交替せざるを得ないという場面が多かったです。これだけやられていたら、パスが決まらないのはQBの責任だけとは言い切れません。今回の試合ではコミュニケーションミス?やRTがDEに捲られてサックされるというシーンが多かったです。下の動画は誰もA-Gapを見ておらずサックされるというものですが、これは酷いですね。あとはシンプルにマンツーマンと見せかけてパスラッシュするというチーフスの技ありブリッツもありました。パスプロの改善は必須でしょう。
Kelce頼りで去年と比べると爆発力のないオフェンス
チーフスは勝てる試合でしたが、惜しくも落としてしまいました。とはいえ、そこまで落胆する必要はないです。この試合、オフェンス、ディフェンス共にコルツを圧倒していました。ただ、一つ感じるのはオフェンスに爆発力がないことです。チーフスと言えば、Mahomes、Hill、Kelceを中心にハイパーオフェンスを展開するというのが売りでした。しかし、Hillがいなくなった今年、Kelceに頼りきりのオフェンスで、爆発力に欠けています。このままではシーズン終盤には対策されてしまうのではと感じます。
Nick Boltonが大活躍
Total Hits | Sack | Tackle For Loss | |
---|---|---|---|
Nick Bolton | 9 | 2 | 1 |
チーフスの2年目LB#32 Nick Boltonがこの試合大活躍しました。上の表にスタッツを載せておきましたが、大事な場面でビッグプレーを起こしていました。下の動画はコルツの4thdownでRB Johnathan Taylorを手で止めてしまうシーンです。今後に期待のLBですね。
BUF vs MIA
こちらも意外な結果となった試合です。正直予想はつかなかったです。地力ではビルズが上の気がしますが、ドルフィンズが簡単に負けるとも思えず、どちらが勝ってもおかしくないと思っていました。結果は以下の通りです。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL | |
---|---|---|---|---|---|
BUF | 7 | 7 | 3 | 2 | 19 |
MIA | 7 | 7 | 0 | 7 | 21 |
総評としては、ドルフィンズディフェンスの粘り勝ちと感じました。何回もレッドゾーンに持ち込まれたのに、2回しかTDを許さなかったのはすごいです。また、オフェンスもとても良いです。ドルフィンズが勝つためにはビルズのミスを誘うしかないと思っていましたが、しっかりドライブが出来ており、感心しました。Week4でQB Tuaがかなり酷めの脳震盪になってしまい容態が心配ですが、もし復帰できれば地区優勝が現実的なものになってくると思います。
Melvin Ingramが良い!
Solo Tackle | Sacks | Tackle for Loss | QB Hits | Fumble Recover | |
Melvin Ingram | 3 | 2 | 1 | 3 | 1 |
Melvin Ingramは今年ドルフィンズに移籍してきたLBの選手ですが、要所で活躍しており勝利に貢献しました。個人的に良かったプレーを下に載せておきます。
2022シーズン1の珍プレー
こちらのプレー、自陣を背負ったパントで、パンターが蹴ったボールが味方のケツにあたって跳ね返り、それがエンドゾーンの外に出てセイフティーとなりました。これのプレーは4Qの最後の方で起こり、ドルフィンズがTDさえとられなければ勝ちという場面でしたが、ここで2点献上してしまったため、FGでの勝ち越しのチャンスをビルズに与えるというものでした。先週のファルコンズ戦のラムズもパントのミスで負けかけたため、スペシャルチームのミスはなるべく抑えたいものです。
DET vs MIN
続いて、今季注目しているライオンズの試合です。これまでオフェンスが調子よく、それに比べるとディフェンスがやられて負けるという展開でしたが多かったですが、今回はどうなるでしょうか。注目はバイキングスのWR Justin Jeffersonを止められるかどうかという点になるでしょう。結果は以下の通りです。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL | |
---|---|---|---|---|---|
DET | 7 | 7 | 10 | 0 | 24 |
MIN | 0 | 14 | 0 | 14 | 28 |
惜しくもライオンズが勝ちきれませんでした。残り2分を切ったところで、ライオンズが勝っていましたが3プレーでTDを取られ逆転されてしまいました。とはいえライオンズがここまでやれたのは、ライオンズのCB#1 Jeff OkudahがバイキングスのエースWR Justin Jeffersonを完封した点がかなり大きかったです。私はこれまで名前も知らなかったですが、これほどまでのCBがいたとは驚きです。2022年の1巡目指名のオハイオ州立大出身の選手だそうです。
そして、ライオンズのもう一つの特徴として、ランが非常に強いです。この試合ではRB J.Williams、D.Swift合わせて139ヤードも走っています。また、チームとしてはリーグ3位のラッシングヤードを稼いでおり、これだけランが出せればオフェンスも楽だよなと感じます。
気づいたら、バイキングスが勝ったのにライオンズしかレビューしていませんでした… 去年の惨状を見ていたのでライオンズには思い入れが強く、申し訳ないです(笑)
JAX vs LAC
こちらも今季好調のジャガーズの試合です。先週はコルツに完勝し、その強さを証明しました。対戦相手はチャージャースですが、QB Herbertが先発出場するものの先週のチーフス戦で故障したため、それがどう影響するかという点が勝負を分けそうです。
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL | |
---|---|---|---|---|---|
JAX | 0 | 16 | 15 | 7 | 38 |
LAC | 0 | 7 | 3 | 0 | 10 |
もっと混戦になることをきたしていましたが、まさかのジャガーズが圧勝となりました。ここまで3戦見て思うのは、カーディナルスから移籍してきたジャガーズのWR Christian KirkとRB James Robinsonが非常に良いです。KirkはFantasyでのポジションランクは6位で予想外の活躍をしています。また、RobinsonはFantasyで3位の活躍です。彼らはQB Lawrenceと共に今年化けそうな予感がします。
ジャガーズが強くなった要因としては、ライオンズにも同じことが言えますがOLです。ランは出るし、サックも少ないということで、去年とは変わって信頼のおけるOLとなりました。Joey BosaやKhalil Mackのいるチャージャースから1回もサックをされておらず、かなりプロテクションが良いことが考えられます。
チャージャースはやはり怪我の影響かQB Herbertがあまり調子よくなかったように感じました。また、ディフェンスもあまり良くなく、後半はすべてのドライブでTDを取られてしまっています。これだけのメンツを揃えているのですから、もっと結果出していただきたいですね。
最後にRobinsonのナイスランを載せておきます。
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